ポムネッコルに土壁の家を建てて教会を始めた当初、私の話を聞いてくれる人はたったの三人だけでした。それでも、三人に話をするとは考えず、たとえ目に見えなくても数千、数万、いや人類全体が私の前にいると考えて話をしました。家の前に井戸が一つありました。その水を汲みに来る人たちの間に、土壁の家に気がふれたおかしな男が住んでいるという噂が生じました。格好はみすぼらしいし、人気のない場所の幽霊が出そうな家から天下に号令するような叫び声が聞こえてきたので、人々はひそひそとそんな話をしたのです。『原理原本』を脱稿した日、私は鉛筆を置いて、「これからは伝道する時なので、伝道できる聖徒を送ってください」と祈りを捧げた後、井戸端に出ました。五月十日のことです。一人の若い女性が、額に浮かんだ汗をふきふき井戸の方に上がってくる姿が見えました。(平和を愛する世界人としてp134)