我が強いだけに勝負欲も強くて、どんなことでも、死んでも負けるものかという気持ちでいました。大げさではなくて、「五山の家の小さな目。あいつは一度やると言ったら必ずやる奴だ」と村の大人の誰もが認めるほどでした。何歳の時だったか、私に鼻血を出させて逃げていった子供の家に一月も通い詰めたあげく、その子と会って、親からは謝罪を受け、餅まで一抱えもらってきたのを見て、大人たちも舌を巻きました。
だからといって、気力だけで勝とうとしたのではありません。同じ年頃の子供たちよりもはるかに体も大きく、力も強かったので、村には腕相撲で私にかなう者がいませんでした。ところが、三歳年上の子に相撲で負けたことがあり、その時はひどく腹が立って我慢がなりませんでした。そこで、毎日山に登り、アカシアの木の皮が剥がれるほど木にぶつかって稽古し、力を付けて、六カ月後にはその子に勝ってしまいました。(平和を愛する世界人としてp37)